コンドロイチンのはたらきは? 関節軟骨以外にも?
体の中にコンドロイチンが存在(コンドロイチン硫酸として)している場所は関節軟骨だけではありません。コンドロイチンのさまざまなはたらきを知りましょう。
コンドロイチンのはたらき
コンドロイチンは細胞と細胞を結びつける「結合組織(マトリックス)」に多く分布し、そこで水分をコントロールする役割を果たしています。これがコンドロイチンの一番重要な仕事です。
体の中の水分の割合は、赤ちゃんは約80%であるのに対し、成人は約60%、65歳以上では約50%1)と言われています。水分は体を若々しく保つのに欠かせません。血液が運んできた栄養や酸素を細胞に届けることができるのも、細胞のまわりに水分があるからです。つまり、コンドロイチンは若さと活力の源とも言えるのです。
例えば、疲労の原因のひとつは、栄養や酸素が体のすみずみまで十分に届かないことですが、コンドロイチンには細胞のまわり(結合組織(マトリックス))の水分を確保するはたらきがあり、水分を介して栄養が全身の細胞にいきわたるためのサポートをしています。
全身で重要な役割を果たすコンドロイチン
コンドロイチンは関節軟骨に特に多く含まれますが、そのほかに、目の角膜、耳(内耳)、椎間板、肌、細胞と細胞をつなぐ結合組織など、全身に広く分布しています。もともと体内にあるコンドロイチンですが、コンドロイチンにはどのようなはたらきが期待できるのでしょうか。
コンドロイチンは、関節軟骨では関節がなめらかに動くのを助け、目では角膜の透明性や弾力性を保ち、肌では皮膚の細胞におけるコラーゲンの産生を増加させるという報告があります。2)
さらに、耳の中では蝸牛管という音を感じる器官にコンドロイチンが含まれていますが、大きな音を聞き続けるとそのコンドロイチンが減るということが動物実験で確認されており、コンドロイチンの不足や減少が耳の聞こえが悪くなることに関与しているとの報告があります。3)
このように体の中のあちこちで重要な役割を果たしているコンドロイチンですが、加齢とともに減少していくという特徴があります。コンドロイチンが十分に力を発揮するためには、できるだけ、こまめに補うようにするとよいでしょう。
出典
1) 環境省環境保健部環境安全課「熱中症環境保健マニュアル2018」
2) 日本香粧品学会誌 2015年39巻1号 p.1-6 Chondroitin Sulfate Disaccharide Enhances Extracellular Matrix-Related Gene and Protein Expression in Normal Human Dermal Fibroblasts in Vitro
3) 日本耳鼻咽喉科学会会報 1967年70巻3号 p.662-690 BIOCHEMICAL AND HISTOCHEMICAL STUDIES ON ACID MUCOPOLY-SACCHARIDES IN THE COCHLEA OF GUINEA PIGS
監修
株式会社からだにいいこと