コンドロイチン硫酸ナトリウムとヒアルロン酸ナトリウムの短時間および長時間の皮膚保湿効果

目的

皮膚保湿性に及ぼすコンドロイチン硫酸ナトリウム(ChS-Na)とヒアルロン酸ナトリウム(HA-Na)の短時間併用塗布時のChS-Naの濃度変化の影響とChS-Na/HA-Na含有製剤の長時間(9日~2週間)塗布時の効果を評価した。

方法

種々濃度のChS-Na(0.1%、0.5%、1.0%)と0.015%HA-Naの1:1混合液(それぞれ0.05%MS、0.25%MS、0.5%MSとする)、またはChS-Na/HA-Na含有製剤(ZZ:CC)を試料とした。これらの試料をヘアレスラット腹部皮膚とヒト前腕屈側部内側皮膚に短時間もしくは長時間塗布後、水負荷試験を行って皮膚角層コンダクタンスを測定した。さらに、長時間塗布後のヒト前腕屈側部内側皮膚の保湿性を皮膚表面解析装置を用いて視覚的にかつ客観的に評価した。

結果および考察

ヘアレスラット腹部皮膚もしくはヒト前腕屈側部内側皮膚に各MSの短時間塗布後の水分保持能もしくは吸水能は、蒸留水塗布に比べ高くなり、MS間で比較すると0.25%MSで高い値を示した。また、ZZ:CC長時間塗布群の前腕屈側部内側皮膚の水分保持能と吸水能は無塗布群に比べて有意に高い値を示し、皮膚表面の乾燥に改善が見られた。これらのことから、ChS-NaとHA-Naの短時間および長時間併用時に皮膚保湿性は改善され、これらが皮膚保湿性を保つためのスキンケアに有用であることが示された。 

図. HANaとChS-Naの混合溶液の単回投与が健常人の腹側前腕の皮膚保湿に及ぼす影響
  (A)時間プロファイル、(B)吸湿性
  各値は平均±SEを表す(n = 4–8) (* P <0.05)
  *non-repeated measures analysis of varianceとunpairedまたはpaired t-testを用いた

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