Neurogenesis in the rat neonate’s hippocampus with maternal short-term REM sleep deprivation restores by royal jelly treatment.
母体の短期レム睡眠剥奪による新生児ラットの海馬※1におけるニューロン新生※2は、ローヤルゼリー処理によって回復する

背景

急速眼球運動睡眠剥奪(REM-SD)が行動や脳構造に及ぼす影響は、数多くの研究によって示されてきた。また、REM-SDが学習・記憶、ひいてはニューロン新生に与える影響もこれまでの研究で報告されている。ローヤルゼリー(RJ)は、様々な生理的特性を持つ最も豊富な生物学的栄養素として知られている。本研究では、妊娠中の母親がREM-SDに曝露された後の新生児ラットの海馬におけるRJのニューロン新生に及ぼす可能性のある影響を検討することを目的とした。

方法

15匹の妊娠したWistarラットから生まれた30匹の新生児ラットを使用した。REM-SDを誘発するために、植木鉢法を使用した。妊娠ラットを5群(n = 3)に分けた:第1群:無処置、第2群:REM-SD、第3、4、5群:REM-SD + RJ。第2群は妊娠中72時間のREM-SDを施し(7、14、21日目)、第3-5群はREM-SDに加えてRJを投与した(3回のREM-SD試行2時間前)。4週目に、全群の新生児ラット(各群n = 6)の脳を固定し、取り出して、Nissl染色とHoechst 33342染色用に準備した。リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応法を用いて、脳由来神経栄養因子BDNF遺伝子の発現を調査した(RT-PCR)、脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子の発現を調査した。結果は統計的に分析し、Pv < 0.05を有意とした。

結果

REM-SD 母親の新生児ラットの海馬の神経細胞数は、REM-SD + RJ 母親の新生児と比較して、有意に減少していることが示された。REM-SDはまた、REM-SD + RJの動物から新生児に達するアポトーシスの増加をもたらした。REM-SD + RJを投与した母親の新生児の海馬では、BDNFの高発現が観察された。

結論

RJは、ニューロン新生の回復を介して、学習と記憶に対するREM-SDの影響を補償することができる神経保護剤として機能する。

(補足説明)
急速眼球運動睡眠剥奪(REM-SD)が行動や脳構造に及ぼす影響(学習・記憶、ひいてはニューロン新生に与えること)が知られており、REM-SD 母親の新生児ラットにおいて、海馬の神経細胞数の減少、アポトーシスの増加、脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子の発現減少が認められた。これに対し、ローヤルゼリーを投与すると、用量に応じた海馬の神経細胞数、アポトーシス、BDNF遺伝子発現の改善が観察された。

図2b
25、50、100 mg/kgの用量でのアポトーシス率のグラフは、母親REM-SD誘発動物の海馬の死細胞数に有意な減少(p < 0.001)を引き起こした。

Brain and Behavior, Volume: 11, Issue: 12, First published: 22 November 2021, DOI: (10.1002/brb3.2423)

図3
異なるグループにおけるBDNF遺伝子の相対的発現をGAPDH発現で正規化したもの。
*陽性対照群との有意差。#陰性対照群との有意差。*Pv < 0.05, **Pv < 0.01

Brain and Behavior, Volume: 11, Issue: 12, First published: 22 November 2021, DOI: (10.1002/brb3.2423)

クレジットライン

[Atena Khodaverdiloo et, al. Brain and behavior. (2021) 11(12):e2423, (https://doi.org/10.1002/brb3.2423) © 2021 The Authors.; Creative Commons Attribution License (http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)]

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