Chondroitin Sulfate Improves Knee-extensor Strength: A Randomized, Double-blind, Placebo-controlled Study(英語)(コンドロイチン硫酸による膝伸展筋力の改善-無作為化二重盲検プラセボ対照試験)

背景

コンドロイチン硫酸(CS)は、日本では関節痛や腰痛の治療薬として使用されています。これまでの研究から、CSは変形性膝関節症(OA)患者の疼痛緩和のために有用な薬物療法であることが示唆されています。また、膝伸展筋の筋力低下は、膝関節症の発症リスクと関連することが示唆されています。そこで、CSの膝伸展筋力改善効果については不明な点が多いことから、ヒトを対象にCSの膝伸展筋力による運動機能への影響を検討しました。

方法

35~79歳の日本人女性および男性を対象に、CSの効果を検討するために無作為化二重盲検プラセボ対照試験を計画しました。対象者は、中部大学に来訪した膝伸展筋力のある日本人34名です。CS 0mg/d(プラセボ群)、CS 1560mg/d(CS群)のいずれかに無作為に振り分けられました。(CS群のCS錠はCSを260mg含有します。)両群とも1回2錠を1日3回服用して、4週間後にストレインゲージを用いて両膝伸展筋力を測定しました。

結果

4週間の介入後、CS群では膝伸展筋力が有意に増加しました。また、膝伸展筋力の変化量はCS群がプラセボ群に比べ有意に大きくなりました。

結論

CS投与により4週間後、膝伸展筋力は改善しました。CSは膝伸展筋の力伝達に有効である可能性が示唆されました。

 

表1 被検者情報

プラセボ群、コンドロイチン硫酸(CS)群。

数値は性別を除き、平均値±標準誤差で表した。

これらの測定値に関して、両群間に有意差はなかった。

 

図1 プラセボ群とコンドロイチン硫酸(CS)群における介入前後の膝伸展筋力の比較

膝伸展筋力の測定は、両足で同時に3回行われた。

体重1単位あたり両足が出す力を膝伸展筋力とした。

数値は平均値±平均値の標準誤差で表した。

 * p<0.05 介入前と介入後との比較

 

図2 プラセボ群とコンドロイチン硫酸(CS)群における介入後の膝伸筋力の変化量

膝伸展筋力の測定は、両足で同時に3回行われた。

体重1単位あたり両足が出す力を膝伸展筋力とした。

数値は平均値±平均値の標準誤差で表した。

 * p<0.05 コンドロイチン硫酸(CS)群と プラセボ群との比較

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